

TES制度が発足して30年が経過し、平成23年11月現在、TES有資格者は5,846名となりました。TES資格者の業種・職種の分類は次のとおりです。
企業別TES人数
TES資格者は、上記のようにファッション業界の主要企業、繊維検査団体、経済産業省の関係機関・国民生活センター・消費者センター・都府県の工業技術センターなど行政機関、洗剤・電気メーカー(洗濯機部門)などの周辺産業、大学など教育機関にも普及してます。
また、ISOの品質マネジメントシステム審査員補の登録基準として求められる「品質管理に関する知識の証明」に繊維製品品質管理士(TES)の登録証明を掲げる審査登録機関もでてまいりました。

消費者相談窓口では、クリーニングトラブルや衣料品の品質・性能に関する苦情が絶えません。このような苦情に応じる相談員は、衣料品の専門知識がないと的確な対応ができないため、TESを取得したときの衣料品に関する専門知識を相談業務に活かしています。消費者から持ちこまれた苦情品のうち苦情の発生原因が分からないものについては、TES会の苦情処理検討会で取り上げ、発生原因や再発防止策などを明らかにしています。また、相談部以外の商品テストや消費者啓発・教育などでもTESが活躍しています。
東京都の消費者センターは、「消費生活技術専門員」の採用にあたっては、平成14年2月から、「TES資格の取得」を採用条件にあげています。消費者教育、衣料品の商品テスト・消費者苦情の対応に繊維の専門知識が欠かせないためです。
また、消費生活アトバイザーや消費生活コンサルタント資格者で構成される日本消費生活アトバイザー・コンサルタント協会(Nacs)では、「TES受験講座」を主催、相談業務などにあたる会員へTES受験を奨励しています。現在、Nacs 傘下では113名のTES資格者が誕生し、消費者センターはじめアパレル、小売業界の「消費者対応部門」で活躍しています。
| 東京都の消費者センター(17) | 神奈川県の消費者センター(15) | 埼玉県の消費者センター(12) |
| 千葉県の消費者センター(10) | 大阪府の消費者センター(9) | 奈良県の消費者センター(8) |
| 兵庫県の消費者センター(7) | ( )内はTES資格者数 |
百貨店、量販店の商品試験室の繊維部門の関係者は、すでにほとんどがTESを取得し、衣料品の品質管理、販売員への教育・指導などの業務にTESを活かしています。
また、百貨店の販売現場では、顧客から素材の特性、色落ち、家庭内の洗濯やクリーニング、保管方法、表示内容など、従来とは違った質問が増えて顧客の質問が高度化しています。これに応え、胸に『繊維製品品質管理士』のプレートをつけたTESが適切に対応し消費者の信頼を得ている百貨店もでてきました。
さらに、お客様相談室では衣料品の品質・性能に関する苦情(65%程度)が多いため、相談スタッフにはTESの資格が必須になっています。採用時に『TES取得を採用条件としている』百貨店もでてまいりました。
| (株)三越伊勢丹(27) | 高島屋(10) | 近鉄百貨店(8) |
| イオンリテール(株)(6) | (株)阪急阪神百貨店(6) | (株)イトーヨーカ堂(5) |
| (株)小田急百貨店(5) | (株)東急百貨店(5) | (株)丸井(5) |
| ユニー(株)(5) | (株)京王百貨店(4) | (合)西友(4) |
| (株)東武百貨店(4) | ( )内はTES資格者数 |
意欲的にTESを導入する専門店がでてきました。ユニクロでは、店に寄せられる問い合わせは品質に関することが多いため、TESで身につけた知識で的確な対応をしています。物作りの部署やクレーム対応の専門家だけでなく、物流部門の担当者も、自らに磨きをかけるためTESに挑戦しています。TES導入後、良品だけを届ける取組みが格段に強まった、とTESを評価しています。
| (株)AOKI(29) | (株)しまむら(10) | (株)赤ちゃん本舗(7) |
| 青山商事(株)(6) | (株)コナカ(5) | (株)タカキュー(5) |
| ( )内はTES資格者数 |
TESの活躍が特に期待されているアパレル業界は、TESの受験者・取得者ともに一番多く、受験が多い職種は、商品企画、営業、品質管理、生産管理が ベスト4です。
受験者の職域が、品質管理以外に商品企画・開発、生産部、営業、MD、デザイナーなどに広がりを見せているのが最近の特徴です。
消費者の品質要求が高まっているので、今後、TESに対するアパレル業界の関心はさらに高まっていくでしょう。
| (株)ワコール(176) | (株)オンワード樫山(91) |
| (株)デサント(61) | トリンプ・インターナショナル・ジャパン(株)(44) |
| ヤマトインターナショナル(株)(37) | グンゼ(株)(35) |
| ミズノ(株)(34) | 尾崎商事(株)(30) |
| (株)三陽商会(30) | (株)トンボ(29) |
| オンワード商事(株)(25) | イトキン(株)(23) |
| (株)ワールド(18) | (株)アタゴ(17) |
| (株)アシックス(16) | ( )内はTES資格者数 |
消費者がカタログを見て購入を決める通販では、消費者が商品の実物を見て・触って確認できません。品質上の問題をおこして、消費者を裏切ると命取りとなります。従って、通販業界では、品質にはとりわけ神経をとがらせているので、マーチャンダイジング部門や品質保証部門の社内の位置付けが高くなっています。この部門の「了解サイン」が出ないと企画が前へ進まないところもあります。通販業界のTESは、マーチャンダイジング、品質保証、企画、営業などの部門で活躍しています。
| (株)フェリシモ(36) | (株)千趣会(34) |
| 上海千趣会貿易有限公司(10) | (株)セシール(9) |
| (株)スクロール(7) | 上海千趣商貿易有限公司(6) |
| ジュピターショップチャネル(株)(6) | オットージャパン(株)(5) |
| 日本ランズエンド(株)(5) | (株)ライトアップショッピングクラブ(5) |
| ( )内はTES資格者数 |
「商」の機能を果たす商社においても、海外生産が増えてきた関係で、商品の生産にかかわる品質管理や納期管理など「工」に関することも必須の知識となってきました。
これがTES受験の動機となっています。
| (株)アイリス(65) | 東レインターナショナル(株)(30) |
| モリリン(株)(25) | 豊島(株)(24) |
| (株)自重堂(23) | 一村産業(株)(19) |
| 瀧定大阪(株)(18) | 澤村(株)(16) |
| 瀧定名古屋(株)(15) | 興和(株)(14) |
| タキヒヨー(株)(13) | 明石被服興業(株)(12) |
| ( )内はTES資格者数 |
取引先のアパレルにはTESが配置されていることから、染色・整理・テキスタイルの業界では、TESを取得して対等な立場で得意先との品質問題のやり取りや商談を円滑に運めています。このような取引上のTES取得の必要性が高まっています。
今後、新機能製品、新加工方法の開発ができるかどうかが重要となるため、
『消費者が期待する新しい機能は何か』といった新機能商品の開発のヒントを探るうえで、消費者情報の収集が重要となっています。従来のアパレルや商社との取引を通じて消費者情報を掴むことは難しいので、TES会活動を通じて小売業界から消費者情報をつかむことができる点にTES取得のメリットを見い出しています。
| セーレン(株)(28) | (株)ソトー(27) | サカイオーベックス(株)(26) |
| 東洋染工(株)(18) | 平松産業(株)(13) | 艶金化学繊維(株)(12) |
| 大阪染工(10) | 倉敷紡績(株)(10) | コーテック(株)(10) |
| 小松精練(株)(10) | ( )内はTES資格者数 |
繊維教育の後退の影響もあって、素材メーカーや紡績業界では、新卒採用にあたって、繊維教育を受けた人を採用できません。そのため繊維業界の川上では、繊維に関する「ヒト」の空洞化が起っています。そこで工学系の卒業生を採って、入社後、TES受験を奨励しています。繊維の専門知識や周辺の幅広い知識の取得はTES試験に依存しています。また、新しい機能の素材の開発に必要な消費者情報を得るためにTESを取得し、TES会活動に積極的に参加しています。
| 東レ(株)(54) | 岡本(株)(39) |
| ユニチカトレーディング(株)(28) | (株)SHINDO(23) |
| 日本毛織(株)(23) | 日本ダム(株)(22) |
| 東洋紡績(株)(21) | 旭化成せんい(株)(18) |
| 御幸毛織(株)(15) | アツギ(株)(14) |
| 日清紡テキスタイル(株)(11) | 日東紡績(株)(11) |
| 村田機械(株)(11) | ( )内はTES資格者数 |
最近、品質管理部門を維持しているアパレル企業は大手の一部に限られてきました。試験・検査業務のアウトソーシング先が検査機関となっています。
したがって、検査機関は、いわば『アパレル業界の品質管理部門』の役割を果たしています。当然のことながら、検査機関の多くの方々はTESを取得しています。また、繊維教育を受けた人材を採用できないので、検査機関では新入職員にTES受験を奨励しています。
| (一財)ボーケン品質評価機構(213) | (一財)カケンテストセンター(188) |
| (一財)日本繊維製品品質技術センター(127) | (財)日本染色検査協会(35) |
| (一財)ケケン試験認証センター (34) | (財)綿スフ織物検査協会(22) |
| (公財)日本繊維製検査協会(20) | (株)消費科学研究所(18) |
| (株)生活品質科学研究所(16) | (株)消費経済研究所(15) |
| (株)BMLフード・サイエンス(12) | ( )内はTES資格者数 |
衣料品は消費過程のクリーニング段階で消費性能上の問題が表面化します。その際、クリーニング業者は、衣料品の製造工程に問題があったものでもトラブルの矢面に立たされます。そのため多くのクリーニング業者は、TESの取得をつうじて繊維素材、加工、染色、生産工程など関係の知識を身につけるとともに衣料品の品質問題について専門性を高めています。
また、繊維業界の専門家と付き合いがないと苦情の解決や発生原因の究明ができないので、TES会のメンバーに入って繊維業界の関係者と接点をもち、トラブルを解決しています。
| 全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(8) | (株)白洋舍(8) | |
| (株)喜久屋(5) | (株)昭和ドライ(5) | 国際クリーニング(株)(4) |
| (株)サンレモン(4) | (株)ホームドライ(4) | 穂高(株)(4) |
| 伊藤クリーニング(有)(3) | エリートクリーニング(株)(3) | (株)ホワイト商会(3) |
| (有)村山クリーニング(3) | (株)山手(3) | ( )内はTES資格者数 |